ごあいさつ  (加藤仁紀理事長

 

 加藤理事長私は、敗戦時(1945年)4 才でしたが、父を失い、母と幼い兄弟4 人で旧満州国(現中国東北部)から命からがら日本に引き揚げて来ました。宮城県仙台で小学生時代を過ごしていましたが、当時日本は、戦後復興の真っ最中で、食べる物も、着る物も乏しく厳しい生活を強いられていました。そんなある日、母 子寮に住んでいた私たちをはじめ多くの家族の元に、沢山の食料や衣類が届けられてきたのです。私たちは皆、目を見張り、非常に喜んだことを今でも鮮明に覚えています。それは、ブラジルの日本人移住者(1・2世)からの贈り物でした。当時日本人移住者は、開拓の苦労と戦いながら、戦時中は、敵性外国人として扱われ、不動産等財産を奪われる方々も少くないという過酷な状況下にありました。祖国日本の窮状を見かね、「日本戦災同胞救援会」を組織し、各移住地よ り、多くの食料・衣類等を集めて日本に贈り続けたのです。

 20084月に東京で開催されたブラジル移住百周年記念式典で天皇陛下が真っ先にこのことに触れられて感謝のお言葉を述べられました。当時の日本人移住者の祖国愛と並々ならぬご尽力に思いを馳せるとき、直接贈り物を手にした私は今でも、目頭が熱くなります。私の母が 県を代表してこの贈り物に対する礼状を出すことになりました。その礼状が、ブラジルの邦字新聞に掲載され、移住者の感動を誘い、更に印刷物となって募集活動の促進に活用されたとのことです。この印刷物が、救援会の責任者より、母に送られ、今も母の手元に残されています。このことを知った時事通信社が086月に移住百周年記念特集で日伯交流のエ ピソードの一つとしてネットで取り上 げました。

 母(現在101歳)は、常々私に次のように言い聞かせるのです。「日本人移住者は、ブラジルで暖かく迎え入れられたために今日があることを銘記しなければなりません。だから今は、日本に働きに来ているブラジル人を暖かく迎え入れ同胞として大切にしなさい。そして彼ら の祖父母や父母が、自分たちを犠牲にして窮乏する日本国民を助けてくれたことを決して忘れないように」と。

 その後、縁あって私も学生時代に海外移住研究会というクラブに所属し、卒業後、短期間ブラジルの日 系銀行に勤務するため商業移住し、ブラジルにお世話になった経験があります。帰国後、日本の会社に勤め、退職後、ボランティアとして在日ブラジル人の支援活動を始めました。ブラジル及び移住者の皆様へのささやかな恩返しの気持ちもあり、少しでもお役に立てれば嬉しい限りと思い、昔覚えたポルトガル語を勉強 し直しながら奔走しております。

 この度、関係各位のご理解と励ましを賜り、特定非営利活動法人として改めて出発することになりました。これを機会にスタッフ一同、一層の努力をしていきたいと決意を新たにしております。昨今極めて厳しい経済不況下ではありますが、私たちは、このNGO TRABRASが真に皆さんの日本での日 常生活の心の拠り所になることが出来れば望外の喜びと考えております。皆様の暖かいご支援とご協力を心からお願い申し上げます。(08121日)

 
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